「勉強しろ」は、やっぱり逆効果だった
― 子どもは“納得したとき”に、自分から動き出す ―
「勉強しなさい」
子どもに対して、
つい口にしてしまう言葉の代表格だと思います。
私自身も、何度も言ってきました。
でも、正直に言うと――
ほとんど効果がありませんでした。
「勉強してないね」と言うと、必ず返ってくる言葉
「勉強しなさい」と言わない代わりに、
こんな言い方をしたことがあります。
「最近、あまり勉強してないね」
すると、ほぼ決まって返ってきます。
「してるもん!」
このやり取り、
心当たりのある方も多いのではないでしょうか。
ここで大事だったのは「言い返すこと」ではなかった
以前の私は、
- いや、してない
- ノートを見れば分かる
- 成績が下がっている
と、つい“論破”しようとしていました。
でも、それでは状況は変わりませんでした。
むしろ、子どもは黙り込むか、反発するだけです。
変わったきっかけは「納得してもらう」ことだった
あるとき、ふと発想を変えました。
- 本当に「勉強している」と言える状態なのか
- 何をもって「している」と考えているのか
を、一緒に確認する ことにしたのです。
例えば、
- 今日、何をどれくらいやったのか
- それは目標に対して足りているのか
- 自分ではどう思っているのか
を、淡々と整理していきました。
すると不思議なことに、
こちらが「してない」と言わなくても、
子どもの口からこんな言葉が出てきました。
「……あ、これじゃ足りないかも」
子どもは「納得すると」動き出す
その後、驚いたことが起きました。
こちらが
「じゃあ勉強しなさい」
と言わなくても、
自分から机に向かい始めた のです。
命令されたからではなく、
怒られたからでもなく、
自分で納得したから。
このとき、
私自身が一番驚いていました。
学級懇談会でも話題になった話
この経験は、
以前、担任をしていたクラスの
保護者との学級懇談会 でも話題にしました。
すると、
- まさに同じことで悩んでいる
- 言えば言うほど逆効果
- どう声をかければいいか分からない
という声が、次々に出てきました。
やはりこれは、
多くの家庭で起きている共通の悩み なのだと感じました。
「勉強しろ」が逆効果になる理由
今振り返ると、理由はシンプルです。
- 命令されると反発したくなる
- 否定されると守りに入る
- 納得していないことは続かない
大人でも同じですよね。
子どもは特に、
「自分で決めた」という感覚がないと、
行動につながりにくいのだと思います。
大人の役割は「やらせること」ではなかった
この経験から感じたのは、
大人の役割は、
勉強させることではなく、
納得できる材料を一緒に整理すること
だということです。
- 判断するのは子ども
- 決めるのも子ども
- 大人は横で支える
その関係ができたとき、
子どもは意外なほど素直に動き始めます。
おわりに
「勉強しろ」と言わなくても、
子どもは勉強する。
そんなことが本当にあるのかと、
正直、私自身が一番半信半疑でした。
でも、
納得したときに人は動く
これは、子どもでも大人でも同じなのだと思います。
もし今、
- つい「勉強しなさい」と言ってしまう
- 言えば言うほど、逆効果に感じる
そんな状況なら、
一度だけでも
「納得しているかどうか」
を一緒に確認してみてください。
意外な変化が、起きるかもしれません。

